修行僧ぷってんの雑記

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政府が出国時に税金を取る事を検討しているらしい話

タイトルそのまんまです。

 

実は、2015年から海外移住者向けに取っている「出国税」という税金が存在していて、厳密には今回のそれとは別です。「海外旅行税」とでも呼んだ方がいいでしょうか。

※今回の記事では、便宜上「出国税」と表記させていただきます。

 

要は、もっと広い範囲で税金を取ろうという算段らしいです。

 

 

世界の国々を見渡すと、出国するときに「出国税」を徴収している国が存在します。

 

例えば、香港は「出国税」のほかに、最近では「空港建設料」というものを約1400円徴収しています。もろもろかかる税金をトータルで考えれば、日本より香港の方が出国する時の料金が高いです。 

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イギリスなんてびっくりしますよ。

 

イギリス在住の人が日本行きの直行便(それどころか比較的近距離にあたるドバイあたりも)を利用するなら、「航空旅客税」として問答無用で23000円もっていかれます。

 

うーん。高い。

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それに比べると、日本を出国する時の料金は相当安いんです。

このような状況を知って、「ここから税金取れるじゃん!」と思った官僚がいるに違いありません。

 

そうでなければ、わざわざこんな反発必死の税金を作ろうとも思わないでしょう。

 

正直言って、メリットが見つからないです。日本の税収が増えるということ以外。

 

出国税導入によって空港使用料が減額されるとも思えませんし、純粋に上乗せされることになるはずです。

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現在、外国人の入国者と日本人の出国者数は、合わせて3600万人にも上ります。(2015年時点)

 

仮に、出国するときにかかる税金を、一律で「1500円」と設定したとしましょう。

 

ざっくり計算すると、これで540億円分純粋に税収が増える計算になります。

 

結構な額になりますね。

 

では、果たしてこの国でこのお金が、「真の意味で」観光立国を目指して使われるのでしょうか。

外国人に支払ってもらった出国税で、日本はより観光したいと思わせる国になるでしょうか。

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今の日本の状態では、「はい、そう思います」と自信をもって言えない人が多くを占めるのではないかあと。

 

今回の計画の根源的な問題は、金額がどうこうというよりも、人々が日本政府に対して全然信頼していないから、「ああ、また取れるところから税金を取ろうってことね」という感情が先立ってしまうんですよね。

 

ちなみにですが、出国税の具体的な金額はまだわかりません。というか「検討」しているだけなので、採用されるかどうかもわかりません。

 

今後とも目が離せませんね。

 

※いっそ、アメリカの「ESTA」やカナダの「eTA」のような電子渡航認証システムを導入し、「入国税」を払うようにすればいいんじゃないかと思いますが、たぶんそうはいかないでしょう。

 

なにせ、2015年になってようやく外国人の入国者数(1974万人)が、日本人の出国者数(1621万人)を超えたぐらいですし。上記のような方法ではあまり多くの税収を確保できず、なおかつお金と時間とシステム配備の手間がかかります。

 

だったら、一律に出国税を課したほうが、よほど楽で多くの税収を獲得できます。

 

というか「欧米では出国税を課しているから、日本でもまねる」なら、日本は欧米をまねて、電子渡航認証システムを導入するのでしょうか?

EUも数年後に導入するらしいですよ?