修行僧ぷってんの雑記

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日暮里駅での乗り換えをまとめてみる

「乗り換え駅をまとめてみた」シリーズ、第3弾は日暮里駅です。

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日暮里駅は、成田空港へのアクセス鉄道の一角を担う、京成電鉄との乗り換えで有名ですね。

 

今回も、JR→京成と京成→JRに分けて解説します。

 

 

 

JR→京成の乗り換え

ものっすごくシンプルに言うなら、JRのホームは、常磐線用(3.4番線)、京浜東北線・山手線の上野・東京方面(9.10番線)、山手線・京浜東北線の池袋・大宮方面(11.12番線)の、3つの島に大別されます。

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最初に、各ホームにどんな設備がどこにあるか、まとめてみました。

 

 

3番線 常磐線(上野東京ライン)上り

水戸・土浦・取手・柏方面から、上野・東京・新橋・品川へ向かう電車が来るホームです。

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階段
15両の場合→12号車の後寄り〜13号車の前寄り
10両の場合→7両目の後寄り〜8号車の前寄り

 

エスカレーター
15両の場合→15号車の前寄り。11両目の後寄り〜12号車の前寄り。

 

10両の場合→6号車の後寄り〜7号車の前寄り。10号車の前寄り。

 

エレベーター
15両の場合→11号車の中ほど
10両の場合→6号車の中ほど

 

4番線 常磐線下り

品川・東京方面から柏・取手・土浦・水戸方面へ向かう電車が来るホームです。

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階段

15両の場合→14号車の中ほど

10両の場合→10号車の中ほど

 

エスカレーター

15両の場合→13号車の中ほど

10両の場合→9号車の中ほど

 

それらに加えて、先頭車両のさらに奥にも1台エスカレーターがありますが、利用価値は低いです。

 

 

エレベーター

15両の場合→13号車の後寄り

10両の場合→9号車の後寄り

 

 

※参考までに、横浜・川崎方面から「東海道線」に乗り、新橋か東京で「上野東京ライン 常磐線直通」の列車に乗り継いで、日暮里に移動するのも可能で、そのように移動した場合は、4番線に到着します。

 

 

9番線 京浜東北線

大宮・赤羽方面から、上野・品川・蒲田方面へ向かう電車が来るホームです。

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階段

→10号車 中ほど。8号車 中ほど。

 

エスカレーター

→7号車前寄り

 

エレベーター

→9号車 前寄り

 

※9号車の前寄り付近は、かなり狭いので、8号車の後寄りを使うのも手です。

 

10番線 山手線外回り

新宿・池袋から、上野・秋葉原・東京方面へ向かう電車が来るホームです。

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階段

→10号車 中ほど〜後寄り 8号車 中ほど

 

エスカレーター

→7号車前寄り〜中ほど

 

エレベーター

→9号車 前寄り〜中ほど

※狭いので9号車の前寄りを使うのも手(優先席もあります)

 

 

11番線 山手線内回り

東京・秋葉原・上野方面から、池袋・新宿方面へ向かう電車が来るホームです。

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階段

→10号車の前寄り

 

エスカレーター

→9号車の前寄り〜中ほど

 

エレベーター

→11号車の中ほど

 

 

12番線 京浜東北線

蒲田・品川・上野方面から、赤羽・大宮方面へ向かう電車が来るホームです。

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階段

→10号車の前寄り

 

エスカレーター

→9号車の前寄り

 

エレベーター

→10号車の前寄り

 

 

注意事項

京浜東北線(9番線、12番線)の電車は、10時台〜15時台は「快速運転」となり、日暮里駅は通過となります。

 

該当時間に京浜東北線を使う場合、田端駅上野駅で乗り換える必要があるので、注意してください

 

※山手線の駅を利用する場合(品川駅から田端駅の間)は、どんな時間帯でも山手線(10.11番線)に乗っておけば、間違いはありません。

 

 

 

 

設備ごとにまとめてみる(JR)

エレベーター

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3番線.常磐線(上野東京ライン)上野・東京方面

→10両、15両編成のいずれも、後ろから5両目の中ほど。

 

4.常磐線 取手・水戸方面

→15両編成の場合は、前から3両目の後寄り

10両編成の場合は、前から2両目の後寄り

 

9.京浜東北線 上野・品川・蒲田方面

→後ろから2両目の前寄り(あるいは後ろから3両目の後寄り)

 

10.山手線外回り 上野・東京・品川方面

→後ろから3両目の前寄り〜中ほど

 

11.山手線内回り 田端・池袋・新宿方面

→先頭車両の中ほど

 

12.京浜東北線 田端・赤羽・大宮方面

→先頭車両の前寄り

 

 

エスカレーター

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3 常磐線(上野東京ライン) 上野・東京方面

 

→10両、15両編成のいずれも、

1番後ろの車両の前寄りと、後ろから4両目の前寄りか、後ろから5両目の後寄り

 

4.常磐線 取手・水戸方面

→10両編成の場合は、前から3両目の中ほど

15両編成の場合は、前から2両目の中ほど

 

9.京浜東北線 上野・品川・蒲田方面

→後ろから4両目の前寄り〜中ほど

 

10.山手線外回り 上野・東京・品川方面

→後ろから5両目の前寄り〜中ほど

 

11.山手線内回り 田端・池袋・新宿方面

→前から3両目の前寄り〜中ほど

 

12.京浜東北線 田端・赤羽・大宮方面

→前から2両目の前寄り

 

 

乗り換え方法を説明する

まず、各ホームからいずれかの方法で2階に上がったあと、天井に「成田空港方面」とデカデカと書かれた看板があるので、それに従います。

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※方向がわからなくなったら、「ホーム番号の若い方(9番ホームから移動するなら、3.4番ホーム方面)」と頭に入れておけばOKです。

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突き当たりを少し右に進むと、改札がいくつもある場所に出てきます。そこがJRと京成の乗り換え改札です。

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もし、ICカードや乗車券、スカイライナーのチケットを持っている場合、このまま改札を通過してしまってOKです。

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京成の乗車券や特急券を持っていない場合、改札の右に、このような窓口や券売機があるので、そちらでお買い求めください。

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※「スカイライナー」や「イブニングライナー」には、特急券が必要です。

 

※「特急」「快速特急」「アクセス特急」は、いずれも特急券は必要ありません。乗車券のみでOKです。

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乗り換え改札を抜けると……

 

さて、ここから京成のエリアに入ります。

きっぷとICカードを併用する場合、先に切符を通す必要があるので注意。

 

「スカイライナー」「イブニングライナー」は、さらに奥に、専用の有人改札があるので、乗車券と特急券を見せて、先へ進んでください。

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有人改札を抜けた後は、特急券の号車案内に従うのですが、

1~5号車は左、6~8号車は右のエスカレーターから2階に上がります。

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エレベーターは中央にあります。

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2階に上がったあと、券面に書かれた号車番号と座席番号に従って、乗車位置に並んでください。

 

一方、料金のかからない列車(特急、快速特急、アクセス特急)は、有人改札を通らずに2階に上がります。

 

エスカレーター、エレベーターは改札付近にあるので、比較的わかりやすいです。

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なお、「スカイライナー」「アクセス特急」は、成田スカイアクセス線経由、「イブニングライナー」「特急」「快速特急」は京成本線経由と、ルートが違うのでご注意ください(価格差200円)

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特急、快速特急からアクセス特急(あるいはその逆)乗り換えは、「京成高砂(アナウンスでは高砂)」駅で行うことになります。

 

※時間帯によっては、「アクセス特急」の乗り換えは、普通や快速を使うことになるのですが、その場合も、京成日暮里駅の2番ホームから乗車してください。

 

 

京成→JRの乗り換え

今度は京成からJRの乗り換えを説明します。

 

成田空港から日暮里・上野方面へ向かうときは、列車は全て0番ホームに到着します。

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設備ごとにまとめてみる(京成)

エスカレーター+階段

 

スカイライナー

→7号車 後寄り


8両編成の場合→6号車 前寄り


6両編成の場合→4号車 前寄り


4両編成の場合→4号車 前寄り

 

エスカレーターのみ

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スカイライナー

→4号車 後寄り


8両編成の場合→4号車 後寄り


6両編成の場合→2号車 後寄り


4両編成の場合→2号車 後寄り

 

※エスカレーターを使う場合、こちらの方が便利です。

 

 

エレベーター


スカイライナー

→5号車 後寄り


8両編成の場合→5両目 後寄り


6両編成の場合→3号車 後寄り


4両編成の場合→3号車 後寄り

 

※成田空港から来る場合、進行方向から8.7号車の順になります。

 

 

いずれかの方法で2階に上がった後は、JRの乗り換え改札を通過するのですが、乗車券やicカードを持っていない場合、ここで買う事が出来ます。

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また、Travelexで両替も出来ます。結構便利ですよね。

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乗り換え改札を抜けると……

ここからJRのエリアになります。

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手前から、

3番線→常磐線(上野東京ライン直通) 上野・東京・新橋・品川方面

※東京か新橋で、東海道線に乗り継いで、川崎・横浜・大船方面へも行けます。

 

4番線→常磐線 北千住・柏・取手・勝田方面の列車

 

9番線→京浜東北線 上野・品川・蒲田方面

 

10番線→山手線 上野・秋葉原・東京・浜松町・品川方面

 

11番線→山手線 田端・巣鴨・池袋・新宿方面

 

12番線→京浜東北線 田端・赤羽・南浦和・大宮方面

 

のいずれかの列車で移動する事になります。

 

※3.4番線の常磐線のみ、エレベーターが乗換改札口の近くにあるので、注意してください。

 

京浜東北線は、10時台〜15時台に快速運転を行うので、日暮里駅は通過します。

 

京浜東北線を利用する場合は、上野駅田端駅で乗り換える必要があるので、その点も注意してください。

 

 

「新東名」の伊勢原〜海老名南間を有効活用しよう!

去る2019年3月18日、新東名高速道路(以下、新東名と省略)が延伸開業しました。

 


新規開業区間は、伊勢原JCT(ジャンクション)〜厚木南IC(インターチェンジ)の約4kmと、あまり長くありません。

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しかし、伊勢原JCT〜海老名JCTで東名高速道路(以下、東名と省略)とダブルルートが確立することで渋滞が減少し、かなりメリットがあるのです。「理論上」では。

 

 

 

 


しかし実際走ってみて、「そうでもないんじゃないかな?」「狙った効果が得られていないのかもしれない」と感じる点がありました。

 

 

 

原因は案内看板。

 

 

 

例えば、1番わかりやすい欠陥としては、東名の上り(東京方面)の伊勢原JCTの手前。

 


ざっくり説明すると、現状こうなってるのですが、

 


この看板を見て、あまり道路を知らない人は、

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きっとこのような印象を受けるのではないかと思うのです(手書きでごめんなさい)


現実は、新東名を経由しても八王子方面に向かえますし、東名を経由しても茅ヶ崎方面に向かえます。件の看板は、下図の青線部分の情報が抜け落ちているんですよね。

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同じことは、海老名JCTの手前における、圏央道内回り(八王子から茅ヶ崎方面へ)→東名下りにも言えます。


パッと見る限り、やはり茅ヶ崎方面へと連れていかれそうな気がしますが、海老名南JCTを経由して、東名の名古屋方面へと向かうことが可能です。


※海老名JCTにおける、圏央道内回り→東名下りは、はっきり言って欠陥構築なので、海老名南JCTを使った方がよっぽどいいです。

 

 

 

「もしかして料金が違うのでは?」と思われるかもしれませんが、東名ルートと新東名ルートの差は1kmちょっとしかなく、なおかつ走行ルートではなく最短ルートで計算されるため、東名と新東名のどちらを通っても、料金は全く一緒です。

https://www.c-nexco.co.jp/navi/jct_map/pdf/atugiiseharajct.pdf

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なぜこのルートを勧めるかと言うと、「渋滞に巻き込まれる距離が変わってくるから」に他なりません。

 


東名下りにおける、秦野中井ICから大井松田IC付近が先頭の渋滞は、最近減少気味ですが、それでも海老名JCTから東名に入るよりは、新東名で伊勢原JCTまで行く方が良いでしょう。

 

 

 

一方で、より深刻なのは東名上り。

 


大和トンネルを先頭にした渋滞は、現状避けようがないのですが、東名上り→圏央道と移動する車も、(新東名ルートを知らない人は)海老名JCTまで巻き込まれているのが実情です。

 


これを伊勢原JCT→新東名→海老名南JCTと移動するだけで、約5km渋滞が減ります。5kmですよ5km。なかなかインパクトのある数字だと思いませんか?

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おそらく、狙った効果がそこまで得られていない、新東名の新規開通区間。

 


これがもっと大きな問題になるのは、新東名が伊勢原JCTよりも先の区間で開通した時です。

 


例えば、新東名上り東京方面を走行して、圏央道八王子方面へと向かうと想定した時…

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こんな表示にすれば、左の東名方面に行ってしまいそうになりませんか?

 

そんな車が溢れると、圏央道利用の場合でも、無駄に東名に流れることになり、合流渋滞(と分岐渋滞)が発生し、その結果、事故も多発することになります。

 

 

この「新東名ルート」の認知によって、渋滞が少しでも緩和される、あるいは事故が減る事を祈っています。

 

 

 

※新東名も渋滞したら、その時はごめんなさい。

※あと、大和トンネルの渋滞は、2019年現在、1番左側の車線を走り続ける以外、打開策が見つからなくてごめんなさい。

北海道新幹線を改めて考えてみる その4

 これらの続きです。今回が最後です。

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あとがき

私は別に、北海道新幹線が嫌いなわけではありません。

 

ただ、「北海道新幹線が札幌まで繋がれば、JR北海道も安泰だ!」という、その安易な思考に納得出来ないのです。

 

 

 

確かに、現状の新函館北斗の区間までだと、JR北海道の展望は暗いままなのは否めません。

 

しかし、それでも「ビジネス客を取り込まなければいけない」という課題がありながら、JR東日本とJR北海道から、「ビジネス客を取り込もう」という姿勢が、全くと言っていいほど見受けられないんですよね。

 

 

 

 

 

まず、絶対に忘れてはいけないポイントとして、今の北海道新幹線は、「最速列車で、ようやく飛行機と張り合えるかどうか」というレベルだと言うことです。

 

そんな乗り物なのに、全区間乗車したところで、得られるものは「長らくのご乗車ありがとうございます」の言葉と、4時間以上座って耐え忍んだ事実だけ。

(北海道区間は8割がトンネルなので、景色が見えるわけでもありません)

 

加えて、

待合室で座って待つことも出来なければ、チケットの受け取りも、指定された駅でしか出来ない。

その受け取りに必要な、自動券売機の数が充実しているとも言えない。

そもそも、えきねっとが使いやすいとも言えない。

それなのにみどりの窓口の数は、人手不足を理由に減り続ける…………

 

デメリットを上げればキリがありません。

 

 

 

別に「航空を見習え!真似しろ!」と言うわけではありませんが、東北・北海道新幹線にも、飛行機のマイレージサービスや、JR東海の「グリーンプログラム」のようなものがあっても良いでしょうし、鉄道会社だからと言って、やれないことはないでしよう。

https://expy.jp/reservation/green/charge/

 

大変なことかもしれませんが、JR東日本がえきねっとの抜本的な見直しを図るのも、1つの手段ではあります。

 

そういう事にトライしようとせず、「10年経って札幌まで繋げば、赤字は減らせるんで」という姿勢のままなのは、正直いかがなものかと思うのです。

 

(追記)後年、えきねっとやJREポイントなどで、抜本的変更が加えられているため、上記の内容は当時の状況を記載したものとなっておりますので、ご留意ください。

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北海道新幹線に限った話ではないが………

まず初めに言っておきたいのですが、新幹線は決して万能ではありません。ただ、自動車や飛行機が万能であり、代替出来るとも言い切れません。

 

 

 

 

 

 

約60年前に日本(の一部)で囁かれていた、「鉄道はいずれ必要なくなる」、といった鉄道斜陽論は、東海道新幹線の開通とともにすっかり過去のものとなり、新幹線は、代替出来ない輸送手段になりました。

 

 

その反面、強すぎる「新幹線万能論」が世にはびこり、「新幹線のルートが通れば、他の自治体より優位に立てる」との考えのもと、「おらが村に新幹線を」の活動は盛んになり、いたずらにルートはねじ曲げられ、開業が遅れたというケースはいくつもあります。

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おまけに、新幹線が通らなかった自治体(小諸市、阿久根市など)へのフォローはなく、

「あなたの自治体はね、最短ルートじゃないんですよ。場所が悪かったですね。残念でした〜」

と言わんばかりの対応は、今もなお放置されたままで、特にフォローアップもありません。

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こうした、「しこり」が肥大化した例として、北陸新幹線と長崎新幹線が挙げられるでしょう。

 

市町村単位どころか、都道府県単位にまで話はこじれ、ルート選定だけではなく、そもそもの新幹線のあり方にまで、話は発展しています。

 

 

 

繰り返しになりますが、新幹線は決して万能な乗り物ではありません。

 

 

「この地方に新幹線があれば便利」というだけのために、1路線1兆円以上の予算をつぎ込む必要性が、果たしてあるのでしょうか。会社の経常赤字を減らすためだけに、ご大層な新幹線は造られるのでしょうか。(参考までに、新函館北斗〜札幌の建設費は約1兆6700億円かかります)

 

 

 

「ただ新幹線を繋いで走らせれば、一定の需要が取れて黒字になる」時代は、終わりを迎えようとしています。

 

 

 

すでに投資効果としては「作らない方がマシ」な路線も出てきているこの日本で、新幹線のあり方が問われている気がしてならないのです。

https://www.sankei.com/region/news/190331/rgn1903310025-n1.html

北海道新幹線を改めて考えてみる その3

前回、前々回の記事はこちら。まだ続きます。

 

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新幹線の大宮優位論について

よく、「大宮発着だと羽田に行くより楽だから、このあたりの需要は取れる」という声を聞きます。

 

確かに、所要時間だけを見れば「どちらか好きな方を選べ」という状態にまで持っていけるとは思います。

 

しかし、大宮は東京の衛星都市でしかないんです。たとえ、さいたま市の人口が100万人を超えていても、それだけで北海道新幹線のユーザー増加に繋がるか?というのは、正直疑問が残ります。

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というのも、今の北海道新幹線は、観光客の比率が高いと言われており、季節によって需要が変動して安定していません。

 

なんなら、北海道新幹線が強いとされる冬場では、全体の旅行者数が減っているのです。

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http://wwwtb.mlit.go.jp/hokkaido/kakusyu/toukei/unnyunougoki/gepou/31.01/31.01_ryokaku.pdf

 

 

つまり、今の北海道新幹線は、季節変動に左右されないビジネスユーザーを必要としているのです。

 

と考えると、やはり東京駅から乗客を引っ張って来る(そして東京駅へ運ぶ)ことが必要になるでしょう。で、「4時間の壁」問題に収束するわけです。

 

「飛行機から20%シェアを奪う」という意味

そもそも航空機から20%シェアを奪うとはどういうことでしょうか。

 

 

「年間900万人が利用する羽田〜新千歳間の20%、180万人を新幹線が輸送するから…」

 

「飛行機は1日あたり5000人空席になる!」

 

「じゃあ1便500人運ぶB777-300が5往復いらなくなる計算だ!」

 

「その要らなくなった5往復分、別の目的地に飛ばすことが出来る!」

 

この理屈は正しいでしょうか。

いいえ、全く正しくありません。

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20%シェアを奪うということは、トータル人数ではなく、1便あたりで計算し、ここから20%乗客数を引かなくてはいけません。

 

現在JALやANAは、早朝や深夜を除き、国内線最大収容人数を誇るB777(定員約500人)を1時間に1本飛ばしています。

 

加えて、羽田〜新千歳には、JALとANA以外にも、エアドゥとスカイマークが飛んでいます。座席提供数は新幹線の比ではありません。

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さて、前回の記事で、関東〜札幌でのシェア20%の仮定を当てはめた場合、1時間あたり片道280人新幹線に乗客が流れる計算でした。

 

仮に、羽田〜新千歳便が運休に追い込まれ、羽田と新千歳の発着枠が空くような事があるとすれば、「スカイマークとエアドゥの乗客が、全員北海道新幹線に移る」ぐらいの事が起きないとありえない話です。

 

 

 

北海道新幹線開通で、新千歳〜西日本の飛行機が増える??

こちらも先ほどの話に付随しますが、ほぼありえないと言って良いでしょう。

 

なにしろ、現状ですら座席提供数に対して、需要数があまり高くないのですから。

 

↓こちらの資料に載ってあります。

https://www.city.chitose.lg.jp/fs/1/4/4/9/8/_/__29______________.pdf

 

 

 

2019年現在、新千歳との間で定期便が飛んでいる西日本の空港は「福岡、広島、岡山、松山、神戸、伊丹、関西」です。

※出雲と徳島は夏季限定の運航。

 

需要にかなり偏りがある(中四国は1日1〜2便が基本、九州は福岡以外なし)ため、とても便利というわけでもないですが、劇的に不便というわけでもないですよね。

 

ここから新規、そして追加で飛ばすとしたら、「さあどこ?」という話になってきませんか?

 

 

 

 

最終的には、函館、青森と花巻から新千歳の発着枠を細かくかき集められる程度で、劇的な変化は見られないかと思います。

 

※というか、そんなに新千歳の発着枠が問題なら、MAX74席しか乗せられないDHC8-Q400や、MAX76席しか乗せられないERJ170をポンポン飛ばせないと思うのですが…

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ならば、仙台はどうかと言うと、そう楽観視出来ない要素があります。

 

 

 

避けられない料金の問題 その1

そう、料金面です。

 

これに関しては一概に比較することは出来ない…と思われがちですが、実際はそこまで露骨に差があるわけではありません。

 

 

 

 

仮に、東京〜札幌が新幹線片道(乗車券+特急券)でトータル27000円だとしましょう。

 

※別にこれはデタラメで計算しているわけではありません。

 

運賃は、将来の東京〜札幌間(約1073km)とほぼ同距離にあたる、東京〜白老間(約1070km)の13280円。

特急料金は、北海道新幹線区間が、「東北新幹線の1.5倍の料金を全線で適用する」と計算して、東京〜新青森7200円、新青森〜札幌7110円、ここから520円差し引くので13780円となります。

 

「新幹線の正規運賃と飛行機の割引運賃を比較するのはナンセンスだ!」と吹き上がる方もいらっしゃるでしょうし、前日にチケットを買ったと仮定して、飛行機の値段を見てみましょう。(まさか全車指定席の列車に乗るのに、当日にチケットを買うわけありませんよね?)

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JALやANAですらこんなもんです。

 

「飛行機だと直前に買うと高い!」と言えるレベルではありません。それ以上に新幹線が高すぎます。

 

※ちなみに、特便運賃に頼らずとも、法人向け運賃なら、何度でも変更出来る運賃も存在します。

https://www.jal.co.jp/dom/fare/rule/r_ebusiness6.html

https://www.ana.co.jp/book-plan/fare/domestic/guide/pdf/19s.pdf

全く同じ計算方法で、仙台〜札幌を当てはめると、新幹線の運賃が10470円、特急料金が11550円、しめて22020円になります。

 

これも同じ条件で当てはめるとこんな感じ。

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マスコミは、新幹線の延伸開業の時には、必ずと言っていいほど値段を報道しますよね。

 

 

いずれ「北海道新幹線は高い」という声が、ネットを支配するようになる(というか、もうなっている)と思うのですが、いかがなものでしょうか。

 

 

 

 

避けられない料金の問題 その2

東京〜新函館北斗間、正規運賃22690円の新幹線にも、割引運賃が存在します。前日まで買えるスーパーモバトクを使えば15460円、えきねっとトクだ値なら、17160円まで安くなります。

 

ただし、新幹線の割引運賃というのが、一般客からすれば「使いやすい」「分かりやすい」「浸透している」とは言えないでしょう。

 

割引を受けるには、会員登録をしたり、クレジットカードを作らなければならない、という煩わしさも無視出来ません。特に、えきねっと の悪名の高さは、もはや説明の要らない領域でもあります。

 

 

 

一方、ツアーはどうでしょうか。

とりあえず以下のツアー比較サイトを用いて、4月の1泊2日函館ツアーを検索してみました。

https://www.tour.ne.jp

が、出てくるのはJALやANAなどの航空利用のプランばかり。なかなか新幹線用のツアーが出てきません。

 

探し続けた結果、なんと全76ページ中27ページ目に、ようやく「片道だけ」新幹線利用のプランが出てきました。料金は、1人1万円ぐらい違ってきます。

 

一方で、5月や8月などの繁忙期は、新幹線の方が圧倒的に安くなります。新幹線の運賃は、飛行機と違って、年間を通じてほとんど料金が変わらない事が理由だと思われます。

 

とは言うものの、繁忙期の収入だけで、1年間の収入を賄うことなど到底出来ないため、北海道新幹線は苦戦しているのです。

 

 

 

青函区間はどうするのか

現在、新幹線と在来線が共用しており、スピードアップの阻害になっているのが、青函トンネルとその前後の区間。

 

トレインオントレインや貨物新幹線、はたまた青函連絡船を活用するなどの案が出ています。

 

 

北海道新幹線がここまで苦境に立たされ、スピードアップできず、赤字を生み出しまくっているのがこの共用区間なのですが、なんと「第二青函トンネルを掘る」という選択肢も視野にあるというのです。

 

 

こうすれば、貨物列車と新幹線の運行を区別でき、さまざまな問題を解決出来るとのことですが、当然トンネルを掘る建設費、維持費が追加でかかってくるわけです(そもそも、この費用をどこが負担するのでしょうか。え?国?)

 

 

おそらく、今からトンネルを掘っても間に合わないでしょうし、11年後の札幌延伸の時でも、青函区間の問題は放置されたままな気がします。

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ちなみに、新幹線が札幌に繋がる時、青函トンネルは開通から42年経つ事になります。

 

 

維持管理費は今より膨らみ、保守点検の時間は長引き、最悪運行に支障が出る可能性もあると考えるのが自然だと思うのですが、そこに疑問を抱く人はあまり多くなさそうです。札幌延伸で全て上手くいくと思っているからでしょうか。

 

 

 

まとめ

北海道新幹線の札幌延伸を、今か今かと待ちわびている人も多いことでしょう。しかし、そう簡単に話は進みません。

 

 

今回触れなかった、「JR北海道は新幹線車両を新造できる体力があるのか」「開通済みの区間の赤字は返済できるのか」「そもそも2030年までJR北海道が存在するのか」という問題もありますが、あえて今回は触れないでおきます。

 

結局北海道新幹線は、

「関東・東北~札幌を直通して速達化を図りたい」

「道内の地域間輸送も果たしたい」

「新千歳がダウンした時のバイパスにしたい」

「JR北海道の経営状態をよくしたい」

という大きすぎる夢を、すべて背負ってしまおうとするのが何よりの問題と言えます。

 

 

JR北海道は、事実上「JR北海道新幹線」になったとしても、2030年まで生き長らえるでしょうけど、函館までしか繋がっていない以上、厳しい状態はまだしばらく続きそうです。

 

もう少し続きます。

 

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北海道新幹線を改めて考えてみる その2

前回の続きです。

 

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「4時間の壁」を突破出来ていない新幹線

そもそも4時間の壁とは、「一般的に新幹線の所要時間が4時間を切ると、利用シェアが飛行機から新幹線に傾く」というものです。

 

では、現在の北海道新幹線はというと、東京〜新函館北斗間を3時間58分で走り抜ける列車が最速となっています。が、これはあくまで「新函館北斗駅」までの話。

 

函館駅まで、トータル4時間半かかることを考えると、東京〜新函館北斗で4時間を切ったところで、利用客増加が見込める可能性はそれほど高くないでしょう。

 

※JR北海道の社長が、東京〜札幌は4時間半で結びたいと表明していますが、やっぱり4時間の壁は突破出来ていませんよね。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190322-00000001-hbcv-hok

 

その所要時間を踏まえて、「東京〜山口は、新幹線のシェアがそこそこ取れている!!」と言う人もいるでしょう。しかし、実際は次の問題が存在します。

 

全ての列車が同じ所要時間ではない

これは、別に東北・北海道新幹線に限ったことではありませんが、最速達列車というのはそんなに何本も存在するわけではありません。

 

というのも、先述したように、はやぶさの最速達列車は、東京〜新函館北斗を3時間58分で走り抜ける列車を指すのですが、これは下り2本(はやぶさ5.11号)、上り1本(はやぶさ38号)だけしか設定されていません。

 

それ以外は、軒並み20〜30分以上所要時間がかかっています。

これは、需要の少ない東北区間の各駅で乗客を拾うためのものです。東海道新幹線の「ひかり」と同じ仕組みだと考えていただいて結構です。

 

しかし、この仕組みでは速達化には全く寄与しません。もはや「4時間の壁ってなんぞや」状態になっているのです。この状況は、札幌に延伸したとしても変わらないでしょう。

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並行在来線への影響

整備新幹線が建設されると、必ずつきまとう並行在来線の問題。

 

第3セクター化される予定なのは、函館〜小樽間。この区間は約250kmと非常に長く、収益が見込める要素が限りなく少ないのは、紛れもない事実として受け止めなくてはいけないでしょう。「そもそも路線を維持できるのか?」という問題もついてまわります。

 

また、そこ以外にも「室蘭本線の長万部〜東室蘭間で、特急列車が運行されるのかどうか」という問題も残っています。

 

私は多分運行すると思いますが、今よりも運行本数は(札幌〜東室蘭・室蘭間も含めて)減らされるような気がします。

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有事では輸送力不足の東京〜北海道間

現在、東京〜新函館北斗を走行する、E5系とH5系の定員は、グリーン車とグランクラスを含めても、「たったの」723席しか存在しません。

 

これは、B777-300とB767-300を足し合わせた最大定員よりも少ないのです。

 

 

 

はっきり言って、「この程度」の輸送力では、有事の際に東京〜札幌間の乗客を飛行機から新幹線に振り返られる余裕なんてありません。

 

 

また、車両を増結して対応しようにも、盛岡より北では10両編成しか対応していないため、座席提供数はこれ以上増やせません。

(そもそも、JR東日本が開発している360km/h対応の新幹線は、定員がさらに減る見込みなんですけどね)

 

 

 

※新幹線が一部自由席ならともかく、現在でも「はやぶさ」は全車指定席。「立席特急券」と言って、全車満席でも乗れる手段はありますが、それでも利用出来る人数は限られています。

 

 

 

新千歳空港がダウンした時、函館まで特急で移動して、新幹線で北海道から帰る人がいるようですが、輸送力が足りていない現実が露呈しています。(振替輸送で満員御礼、立ち席多数になって「北海道新幹線は必要だ!」と喜んでいる場合じゃないんです)

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思った以上に需要が少ない、関東・東北〜北海道間

次に需要を予測してみましょう。

 

※人口減少、需要増大などは、不確定要素は多いので、それらは一旦排除して考察し、非常に簡潔にしています。

※利用客数は全て「往復」で計算します。

 

 

 

北海道新幹線が札幌まで延伸開業した場合、優位な区間は、だいたい仙台までと言えそうです。

 

 

さて、北海道・東北地方(函館、青森、花巻、仙台空港)〜北海道の、飛行機での年間の移動人数はというと、約111万人です。「北海道新幹線には区間需要ガー」と言う人もいるのですが、この区間の利用者って、意外と多くないんですよね。

↓こちらに詳しく載ってあります。

https://www.city.chitose.lg.jp/fs/1/4/4/9/8/_/__29______________.pdf

 

 

これを1日あたりの平均人数で割ると、だいたい3040人。

 

なんと、飛行機からシェアを100%奪い取ったとしても、利用者は1日たったの3040人しかいないんですよ。

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さらに、羽田〜新千歳の飛行機利用客が年間約900万人なので、ここから約10%シェアを奪えたとして、年間90万人。

 

 

これを再び1日あたりに換算すると、約2460人です。シェアを20%奪ったとしても、関東〜札幌間の利用者は5000人程度なんです。

 

 

 

仮に、東北〜札幌をシェア80%、関東〜札幌をシェア20%、飛行機から取ったとして、本州へと直通する旅客だけで考えると、1日の利用客数は7300人。

 

 

 

 

2019年現在、北海道新幹線を利用している乗客が、札幌延伸時にも変わらず利用し、新函館北斗で下車する(約4700人)と仮定した場合、札幌延伸後に青函トンネルを通過する乗客は、約12000人となります。

 

 

東京〜札幌間で新幹線を14往復運転(6時から19時まで毎時1本運転)だと仮定すると、新青森〜新函館北斗間の平均乗車率は約59%になります。現在の乗車率20%台と比べれば、状況は劇的に改善します。

 

 

※おそらく東北発着の3往復(仙台、盛岡、新青森発着)は設定されるでしょうから、平均乗車率は48%まで下がりますし、この予測はかなりザックリしたものなので、もっと増減する可能性はあります。

 

 

 

実はこっちが本命?函館〜札幌間

また、函館〜札幌間といった、道内での需要も拡大することが見込まれます。

 

とは言うものの、函館駅からだと新函館北斗で乗り継ぎが1回ありますし、「国土交通省の予測通り需要が3倍弱も拡大」するということはおそらくないでしょう。

 

ここでは、新函館北斗~札幌間だけの利用者が2倍強になったとし、これを6000人程度と仮定しましょう。

 

 

 

あくまで仮定の話なんですが、対東北の需要をはるかに凌駕してしまいます。ちなみにこれは、国土交通省も認めるところです。

 

※この道内区間を含めた利用者数は、1日あたり13300人(関東・東北〜札幌7300人+函館〜札幌6000人)と仮定し、先ほどの運転本数(17往復)を当てはめると、平均乗車率は約54%になります。

 

ただ、現在の特急「スーパー北斗」の代替となる、札幌〜新函館北斗間の区間列車はおそらく運行するでしょうから、やはり平均乗車率は変動します。

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さて、ここでよく考えて欲しいのです。

 

北海道新幹線は、冬場に飛行機が運休した時の「バイパス」になるはずでした。

 

しかし、新青森〜札幌で平均的に50%から60%利用客がいるという事は、その50〜60%の座席は使用出来ない事を意味しますよね。

 

 

 

この状態で、飛行機からの振替を受けるとなると、「片道1時間あたり約300人〜350人程度」しか輸送出来ない計算になります。

 

仮に、「新千歳空港が丸1日ダウンし、新幹線は通常運行」と仮定し、新幹線を片道14本運行したとしましょう。

 

 

この状況でも、追加で運べる余裕があるのは「たった」4900人です。ちなみに羽田〜新千歳の飛行機の利用客は、1日平均にならすと片道あたり12000人ほどです。

 

 

と、ここまで新幹線に有利な条件を与えても、明らかに輸送力が足りていないのが露呈しています。

 

はっきり言えば、「飛行機利用客が全員新幹線に流れた場合、少なくとも半分以上の人間は帰宅手段がなくなる」のです。

 

長くなったので分割します。

 

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北海道新幹線を改めて考えてみる その1

新函館北斗まで北海道新幹線が延伸して、はや3年になろうとしています。

 

JR北海道の経営が苦しいのはみなさんご存知の所ではありますが、北海道新幹線は2031年に札幌延伸を控えており、こちらに期待する方々も多いです。

 

今回は、そんな北海道新幹線について改めて考えてみたいと思い、まとめてみました。

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①東京〜札幌が乗り換えなし

東京から約1080km乗り通す旅客がどの程度いるのか、現段階ではまだ不明確な点も多いですが、これは北海道新幹線のメリットに挙げられるでしょう。

 

ただし、ほぼ同じ距離にあたる、東京〜博多における新幹線の利用率が、10%を切っている事を考えれば、乗り換えが無いと言って、楽観視出来るものではありません。そこで、次の意見が多数を占めるようになったのです。

 

 

②大宮から札幌だと、飛行機といい勝負

最近Twitterでよく見る論調ですね。

これに関しては、飛行機にはない大きな強みでしょう。

東京〜大宮間は、沿線自治体との兼ね合いで速度が制限されており、所要時間を余計に増やす区間となっています。

 

しかし、大宮以北なら青函トンネルを除けば、基本的に260km/h以上(数年後には東北区間で320km/h以上)で走行可能なので、新幹線の速達性をフルに活かせる区間となっています。

 

昨年、大宮6時発のはやぶさが設定されたのも、「札幌延伸を見据えた設定か?」と話題になりました。

 

大宮〜札幌が話題になるのは、やはり「4時間の壁」が大きいからでしょうが、これに関しては後述したいと思います。

 

③雪に強い

これも飛行機にはないメリットです。

 

 

新千歳空港や函館空港では、冬場になると、たびたび大雪で飛行機が欠航してしまうことがあり、利用客が空港で途方に暮れるニュースを目にする事があります。

 

それに対して、「飛行機は欠航しているのに、新幹線は通常運行」というケースはよく見受けられます。

 

これは何も北海道に限ったことではなく、以前では北陸新幹線も、雪に対しての強さを発揮し、飛行機との差別化が出来ている事を全国に知らしめることとなりました。

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④区間需要

北海道新幹線の話題となると、どうしても首都圏〜北海道の話題になりがちですが、東北〜北海道も無視出来ません。

 

例えば、大都市間である仙台〜札幌は、最速達列車なら3時間前半で結ぶのも夢ではないでしょう。

 

また、道内間での移動も然りです。

 

JR北海道の社長が、新函館北斗〜札幌間で1時間切りを目指したいと宣言していました。

 

これがもし実現した場合、函館から札幌の移動では、乗り換え時間を加味しても1時間半程度で結べる事を意味します。

 

現在運行中の特急「スーパー北斗」の所要時間が3時間半ほどかかっている事を考えれば、驚愕のスピードアップですね。

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と、ここまで聞くといいことずくめな新幹線ですが、実際はそうでもありません。

 

そもそも、そんなに素晴らしい路線なら、北海道新幹線は、20年前には開通しています。

 

次の記事ではそのあたりに触れてみたいと思います。

 

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ブリティッシュエアウェイズ870便 ロンドン・ヒースロー〜ブダペスト

ブダペスト行きのゲート番号は17時半にならないとわからないので、ドギマギしながら待っていましたが、9番ゲートとキャセイパシフィック航空のラウンジからほど近いところだったのでラッキーでした。

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この続きです。 

 

17時35分ごろにチェックインし、ほぼ何もない待合室で待機します。

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17時40分ごろにはボーディング開始。

 

BA870便の機材はA320。通路が1本の機材なので、どうしてもボーディングに時間がかかります。

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それでも18時にはほぼ全員が乗り込みました。

 

座席はヨーロッパ短距離便で見慣れた構造(シートポケットがせり出していないもの)を用いているため、十分なゆとりがあり、2時間半程度のフライトでは気にならなさそう。

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無料区域の中でも1番前の席を選んだからか、隣席は誰もいません。また今回もビジネスクラスの誕生です。

 

他にも、ちらほら真ん中席に空きがあったので、そこまで混雑しているというわけではなさそうです。

 

しかも、通路側に座っていたおじさまが、なぜか1番前に行ったため、ついに1列分私のものになってしまいました。

 

18時15分、定刻通り出発します。

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ブリティッシュエアウェイズも夜間の離陸の時には照明を暗くするみたいです。

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18時40分ごろ、離陸。

 

疲れていたからか、シートベルト着用サインが消えるか消えないかぐらいには眠ってしまっていました。

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その後は何度か起きたり眠ったりを繰り返しましたが、あまり記憶にありません。

 

ブリティッシュエアウェイズの機内食は有料なので、特に注文はせず。高級コーラを頼むほど、私は懐に余裕があるわけではありませんし…

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いつの間にか着陸態勢に入っていました。

 

21時25分、シートベルト着用サインが点灯。と同時に、「あと10分で着陸する」というアナウンスが入ります。

 

21時35分、ブダペスト空港に無事着陸。

 

空港の周りに明かりが少ないため、いきなり滑走路が現れるような感覚に陥ります。

 

結果的に他の飛行機の姿を見ないまま、21時40分に駐機場に到着しました。

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