2018年ダイヤ改正によって、日本一訪問しづらい駅たちが宮崎に爆誕する問題
全国の乗り鉄にとって、またやきもきする季節がやってきました。
それは、約1週間後に控えたキリストの生誕祭ではなく、もっと後のお話。
そう、毎年3月恒例の「ダイヤ改正」の概要が発表されることです。
「ダイヤ改正とか言っておきながら、実際は改悪じゃないか!」というような内容が、全国で多かれ少なかれ実施されるのが常態化しているのは否めません。
しかし今年は、三江線廃止もスーパーあずさの新車誕生も小田急の大規模改正も、かなり前にアナウンスされており、それ以外目立ったニュースはないんじゃね?と若干余裕をかましていたほど。
(羽帯駅廃止はなかなかショックですし、JR北海道はこのニュースが衝撃的だったんですけどね)
http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2017/171206-1.pdf
しかし、JR九州は違いました。
特に目を引いたのは、「宗太郎越えが1日3本(下り1本、上り2本)に減便」というニュース。
宗太郎越えというのは、日豊本線の佐伯(大分県)~延岡(宮崎県)の区間を指し、ここはもともと普通列車が1日3往復(=上下6本)しか走っていません。
それが、来年のダイヤ改正で半減します。
特に、佐伯→延岡の下り列車に至っては、佐伯6時18分発の列車が、普通列車の始発かつ最終列車というのだからびっくりです。
実はこの宗太郎越え区間、特急にちりんが走っているため、北海道の学園都市線(浦臼〜新十津川間は1日1往復)よりはずっと本数が存在します。まあ、そのにちりんも減便するんですけど。
しかし、特急にちりんは佐伯から延岡の間はノンストップなので、普通列車の代替輸送としては機能しません。
※他にもJR九州は、ほぼ全域で運転本数の見直しがなされています。始発列車繰り下げ、終電繰り上げ、区間短縮など、探せばボロボロ出てきます。
ちなみに、青春18きっぷだけでこの区間を利用するならば、佐伯や延岡で1泊する必要があります。
(訂正)延岡→佐伯を移動する場合、延岡19時33分発の普通佐伯行きが存在するので、大分へたどり着く事も可能です。失礼いたしました。
当然旅程の足かせになるので、特急にちりんに課金する方がいいのですが、そうすると、宮崎から(あるいは博多や小倉など)から特急を乗ったほうがいいんじゃないかという思考に至ります。
なにせJR九州は、特急料金が非常に安価なため、宮崎~博多が5000円ちょっとで移動できてしまいます。
※2枚きっぷ利用時の1回あたりの金額
※延岡~佐伯の乗車券+特急料金は2450円。果たしてこれを安いと取るか高いと取るか。
降りつぶしをするとなると、もっと大変になります。
まず前日までに、延岡か佐伯入りしなくてはなりません(とはいえ、佐伯〜重岡は区間便があるので、ほぼ延岡一択)
しかも、宗太郎越え区間は、JR北海道の学園都市線(札沼線)と違って「対向列車が来るまでに隣駅まで歩く」のが非常に困難。
※1番楽な北川→日向長井でも4km以上の徒歩を強いられます。
次の列車を悠長に待つとなれば、10時間ほどロスタイムが存在する(しかも最大2駅しか訪問出来ない)ので、これはもったいない。
やはりこの区間は、複数日程に分けて制覇するしかなくなりそうです。
JR九州といえば、去年東証一部上場を果たし、一見順風満帆に見えた鉄道会社かもしれません。
しかし、本業の鉄道事業は赤字。この赤字対策に本腰を入れざるを得なくなったと言えるでしょう。
今回のダイヤ改正では、
「いつまでも あると思うな 駅と路線」
そんなメッセージを受け取ったような気がします。
【追記】さすがに改正後のダイヤが厳しすぎるので、3/10.11に降りつぶしを急遽実行することにしました。
いずれ記事にしたいと思いますが、そのルポは完全に役に立ちません。ご了承ください。